山陰地域では,平地の少ない山地・高原地形と脆弱な地質構成,山陰特有の気象条件等を反映して,地すべりや土石流,洪水等が頻繁に発生するとともに,広大な日本海に震央をもつ地震とそれによる津波の発生等がしばしば自然災害をもたらしてきた。そうした自然災害が地域の住民と社会に多大な損失を与えてきたことは,山陰の長い歴史が物語っている。
こうした自然災害の軽減には,国や地方の行政機関とともに,大学,民間企業,技術士会等の団体組織や住民等が様々な努力を続けてきたに違いない。それらは,災害情報の発信や防災教育などを通して,住民の防災意識の啓発や自主防災能力の向上に大きく貢献してきたであろう。
しかし,突発的な災害発生の頻度や地域が受ける自然災害の危険度は他地域に比較して決して低いものではない。自然災害の発生とその特性には地域性が強いが,山陰地域では地域間における防災情報の交換等がほとんど行われておらず,災害軽減という点では不十分であろう。
そこで,島根大学が中心となって,山陰地域を対象とした自然災害の防止及び軽減のためのプラットフォームを地域社会に提供するため,「山陰防災フォーラム」を組織する。
1)公開フォーラム,シンポジウム,ワークショップ,防災学習会,現地見学会を通じて,自然災害防止に関する経験の交流と研究の推進
地域内外の専門家を要請し,最新の防災関連知識の更新や啓発活動を実施する。また,災害発生する可能性の高い地域や災害発生場所での災害に対する検証活動を行うことによって,地域防災力を高める。
2)山陰地方における自然災害データベースを構築する
過去の災害事例から地域における災害発生の種類,頻度,強度,そして有効な防災対策など情報を抽出可能なので,自然災害データベースを構築することは重要である。また,地域の情報発信の一環としても,社会全体における防災情報への貢献ができる。
3)地域の特性に適した防災技術の開発や共同研究
山陰地方の地質,地震,地形,気象,開発歴史(製鉄や銀山など)を考慮した上でも防災技術の開発や共同研究によって,より効果的に地域住民を自然災害から守る。
4)ウェブサイトによる情報発信
ウエブサイトを設立し,フォーラムの活動内容,地域における災害情報,フォーラム参加団体・個人へのリンクをし,情報発信に努める。また,メーリングリストを作って,横断的に構成員のネットワークを形成し,情報交換の場を設ける。
◇議 長
田坂郁夫(法文学部 教授)
◇運営委員石賀裕明(総合理工学部地球資源環境学科 教授)
丸田 誠(総合理工学部材料プロセス工学科 教授)
入月俊明(総合理工学部地球資源環境学科 教授)
汪 発武(総合理工学部地球資源環境学科 教授)
松本一郎(教育学部初等教育開発講座 教授)
石井将幸(生物資源科学部地域環境科学科 准教授)
増本 清(総合理工学部地球資源環境学科 准教授)
酒井哲弥(総合理工学部地球資源環境学科 准教授)
林 広樹(総合理工学部地球資源環境学科 准教授)
志比利秀(総合理工学部地球資源環境学科 助教)
佐藤裕和(生物資源科学部地域環境科学科 助教)
小暮哲也(総合理工学部地球資源環境学科 助教)
事務局長: 増本 清
メンバー: 志比利秀,小暮哲也
島根大学大学院総合理工学部地球資源環境学領域
〒690-8504 松江市西川津町1060
電話:0852-32-9878
Fax: 0852-32-6469
E-mail: masuAT(@に変換してください)riko.shimane-u.ac.jp