レベルの高い自然災害研究教育組織が地方に根づくと,減災・防災の効果が高まります。中国地方では日本海側の山陰地域を含めて地震災害,斜面災害,地盤災害,洪水災害が頻発し,地域の生活や社会に大きな影響を与えてきました。
災害の発生要因には,地域性が強く関係します。比較的なだらかな山地や丘陵が多く,居住区域が内陸の中山間地域に広がっている中国地方では,広大な沖積平野に立地する大都市とは災害の性質が大きく異なるため,発生時の対応も異なります。
効果的な防災・減災を実施するために,中国地方,特に山陰地域において分野や組織を超えた自然災害を研究する組織の設置が必要(急務)です。また,このような総合的な研究組織が地域住民,行政機関やマスメディアと連携をすることによって,自然災害の防災や減災に大きく貢献できます。こうした背景のもと,2012年12月28日に島根大学自然災害軽減プロジェクトセンターが設置されました。
学内外の自然災害有識者でセンター運営委員会を組織し,センターの運営を管理する。
センター長(事務局長を兼務,災害に関する緊急対応,日常事務を処理),副センター長,各研究・教育部門長で運営する。
民間の災害研究者など外部の研究資源の有効利用を図るために,連携研究員制度を導入する。